管理番号 | 新品 :96321074 | 発売日 | 2024/01/14 | 定価 | 26,000円 | 型番 | 96321074 | ||
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イラン〜アフガニスタンの国境近辺で遊牧生活を営んでいたバルーチ族によるものです。サドルバッグと言う馬の背中に掛けて使われたバッグの片側です。前所有者様によりますと120年程前に織られたものだそうです。 縦約56㎝、横約63㎝です。袋状ですので、詰め物を入れればクッションとしての使用も可能です。 表の絨毯の面はインディゴがベースで室内ではかなり地味な印象です。太陽光の下で見ると写真一枚目の通り、艶々としたパイルから織柄が立体的に浮かび上がるかのようです。非常に整った絵柄です。 所々にシルクのパイルが点在し、一部は白っぽい色に退色しています。裏側でみると鮮やかなフューシャピンクをしており、初期の合成染料のようです。 羊毛や天然染料といった身近な素材だけでなく当時貴重だったであろう絹・合成染料を用いている事、綺麗に整った仕上がりである事から、特別な意図を持って作成されたのではないかと想像されます。 写真四枚目の左上は裏側です。表は絨毯で裏はシンプルなキリム、袋の底部で繋がった一枚の織物からできた袋です。両脇はヤギもしくは馬の毛で接ぎ合わされたオリジナルの状態です。写真にありますように、接ぎ合せの糸に解れがあります。キリムに小さな穴があります。袋の上端は切りっぱなしで内側に折返されています。 パイルの摩耗はほとんどありませんが、濃い茶色のパイルのみ全体的に低くなっています。媒染剤として鉄が使用されると経年変化に弱くなるとの事で、古い物の証です。その他、ごく狭い範囲ですが虫食いのような跡があります。 欧米に輸出される際、裏側は無価値な物として切り取られる事が多かったとの事ですので、裏側が残った鞍掛袋は貴重です。コレクターアイテムとしても、形を生かして工夫して使用して頂いてもよろしいかと思います。 購入時はうっすら汚れていましたのでウール用洗剤で洗濯しました。個人的な感覚ではありますが、現状は頬ずり出来るくらい綺麗です。我が家では鑑賞のみで実用しておりません。 オールド キリムから始まり、トライバル ラグ・部族系絨毯と言われる中近東の毛織物にはまり、数年前にドイツ在住のディーラー様から譲り受けたものです。整理のための出品です。長い年月を経てきたなりの難がありますが、作成し使用してきた人々や歳月に思いを馳せつつ、現状のまま愛でて下さる方の購入をお待ちしております。